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風邪とプリン 3
シャワーを浴びた後キッチンへ向かい、冷蔵庫から冷えたビールを取り出す。
ゴクゴクと喉に通してから、薬を飲んだ事を思い出した。まあいいかと構わず一缶空けてから寝室に戻ると、スコスコと静かな寝息が聞こえ、ほっと息を吐いた。
額のタオルは既に温かく、氷水に浸し冷やしてから再び額に当てた。
新調したベッドはふたりで寝ても充分広々なキングサイズ。
普段はそれでも(嫌がられながらも)省吾の身体を抱きしめて眠る事を1日の終わりとしているが、今晩は流石に大人しくしようと少し離れて横になった。がそれもほんのつかの間。
髪を撫でる位ならいいかなと、自分を許し省吾の髪に触れてみる。
撫で撫で。
可愛いなあ。
瞼にキスなら許されるかなと、今度はそっと瞼にキスをしてみる。
省吾の寝息がすぐそばで聞こえ、たまらずそっと唇を重ねた。
いけない、いけない。
今夜はしっかり寝かせてやらなければと欲を押さえ、大人しく隣で眠る事にした。
でも、少しだけ。
省吾の手をそっと握ると、無意識なのか、緩く握り返された。
ああ、抱きしめたいなあ。
我慢、我慢……。
明日になっても熱がさがらなかったら病院へ連れていこうと考えながら、俺も目を閉じ、眠りについた。
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