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風邪とプリン 4

 翌朝。  唇に柔らかなものが触れ、すうと眠りから覚めて瞼を開くと、目の前には省吾の驚いた顔。 「な、何だよ起きてたのかよ」 「今、目が覚めた」  慌てて離れようとする省吾の身体に腕を伸ばし一瞬で引き戻すと、離せとジタバタ暴れだす。無駄な抵抗も可愛い。 「今、キスした?」 「知らねー」 「ねぇ今省吾からキスしたよね俺に」  真っ赤な顔をして言葉に詰まる省吾の額に手をあて、熱が引いている事を確かめる。と同時に額にキスを落とし、瞼へ。更に頬へ、鼻先へ。  それから唇へと辿り着き、吸い上げるようにキスをした。 「ん、待っ……し過ぎだばか!」  暴れる省吾の両手に阻まれ中断されてしまう。いいじゃないか、省吾からしてくれたくせに。 「俺にうつして省吾が治るならその方がいい」 「んな後味悪りぃ事は嫌だ」 「熱は引いたようだけど、今日は一日寝ていたほうがいいね」 「いい、もう治った」  薬のせいだと気付かないところが子供と一緒だ。  そんな省吾にまた悪戯したくなる俺も意地が悪い。わかっているけどやめられない。省吾の可愛い反応が見たくて、意地悪をしてしまう。 「そう?じゃあ昨晩出来なかったし……しよっか」 「は? 朝っぱらからアホかお前。やるわけねー……わ!」  省吾の悪態なんて無視して腰を引き寄よせてみれば、早速上がる抗議の声。 「手ぇ離せ」  真っ赤な顔で睨まれても無視。  身体を丸めて逃れようとする身体ごと引き寄せて、首すじに紅い花弁を落とす。

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