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愛はどうだ8
「いや……先日久々実家に顔を出したかと思ったら、結婚はしないといきなり言い出して、どうしたものかと心配になってしまって」
「はぁ」
「いや、確かにそうですね、日を改める事にします」
笑顔を見せたオッサンは、やっぱりどこかで会ったような気がしてならなかった。
うちの会社、じゃないよなあ。知らない社章付いてるし。
結局3杯ご馳走になり、帰りは気をつけてと声をかけて、改札の向こうへ消えていくオッサンを見送った。
さて帰るかと歩きはじめてハタと気付く。
お互い名乗りもしないままだったな。
オッサンテンパってたしな。
一期一会ってやつか。
それより飯どうすっかなと頭を悩ませた時、ポケットのスマホに着信が入った。
ハルだ。
「はいよ」
『省吾発見』
「は?」
背後を振り向くと、改札の向こうで携帯を耳に当てたままこちらに手を振るハルの姿が見えた。
『夜飯どうした』
「食ってねぇ」
『じゃあ食べて帰ろう』
「いいね、あ俺牛丼がいい」
笑顔でこちらに向かって来るハルを待ちながら、牛丼よりラーメンにするかと頭を悩ませた。
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