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愛はどうだ 9

 結局マンションから近いラーメン屋に入り、そこでまた軽く酒を飲み、帰宅した頃には冬の寒さを感じない位、身体がポカポカしていた。  コートを脱いで直ぐに背後からハルに抱き着かれる。 「省吾、ポカポカだな」 「てかアチい、風呂入るし離れろって」 「一緒に入ろうか」 「やだ。明日も早いしさっさと入って寝る」  冷たいとぶぅぶぅ煩いハルを押しのけ、パパッとシャワーを浴びリビングに戻ると、ソファでうたた寝中のハル。 「ハル、風呂あいたぞ」  声をかけると、ううんと伸びをしながら起き上がった。 「あ、そうだハル、年末年始は実家帰るんだろ?」 「ああ……まあ日帰りで元旦位は行こうかな」 「地元の仲間と会わないのか?」 「ああ……どうしようかな、省吾も一緒に」 「いかねーよ」 「省吾は実家いつ帰るの」 「あー、今年は母親が旅行行くらしいから帰るのやめた。こっちでのんびりする」  すると突然、曇り顔だったハルの表情が、パアアと笑顔に変わった。 「じゃあ俺も今年はここでのんびりする」 「げ、帰れよ」 「何でー!?」

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