183 / 428

愛はどうだ 10

「どっちにしろ元旦は地元でオールか、誰かんち集まって泊まりかも」 「泊まり?」  あ、機嫌悪。  と思った時にはソファに引きずり込まれ、あっという間に組み敷かれた。 「何処の誰と寝るんだよ」 「お前が言うといちいち変……」  言うより先にぎゅうと抱きしめられ、というよりハルの胸に頭を押し当てられ、息が出来ない。  必死で押し返す俺にやっと気付いたのか、腕を緩めたハルは俺の髪に顔を埋めた。 「省吾、シャンプーのいい匂いがする」 「お前もシャワー浴びてこいっての」 「戻ってきたら相手して」 「だから明日も早いからさ、寝ようぜほんと」  呆れて返事を返すと、今度はしょんぼりした表情で見下ろされ、うっと言葉が詰まる。 「省吾は地元の友達と飲んだくれる年始を過ごしたいんだな」 「まぁ、集まったら毎回……わかった、今年は終電までには帰るようにするからそんな顔で見るなっつーの!」 「年末はここにいる?」 「ああ」 「じゃあ、元旦の省吾は諦めるよ。俺も日帰りで帰ってくるから」  納得したらしく表情が和らいだ。やれやれ。 「二日は初詣に行こう」 「あーはいはい」  嬉しそうに微笑むハルは天使みたいな顔してる。  キレなきゃ仏みたいなのにな、ほんと……。  ハルの顔が近づいてきて、反射的に目を瞑れば唇にちゅうと音を立ててキスされた。  これで大人しくなってくれるかと思いきや。  唇を鎖骨まで落としチゥと吸ったあと、俺のTシャツを素早く捲くり上げた。  急に冷気に晒された胸の尖端がツンと尖る。 「やめ、寒い!」 「省吾のここ、尖ってる」 「だから寒いからだよ!」  だからその笑顔恐いんだって……。

ともだちにシェアしよう!