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ホワイトクリスマス(社会人四年目:クリスマス)1
ハルと一緒に暮らし始めてから、初めてのクリスマス。
今年の十二月二十四日は振替休日で、まあ暦通りで行けば、ハルも俺も仕事は休み。
とはいえ仕事上、クリスマスイベントと称して各地で展示会が開かれるこの時期。
休日出勤当たり前な俺は、当たり前のように出勤だとハルに告げた。
「そうか……」
仕事はしょうがないよなと頷きながらも明らかに肩を落とすハルを少々哀れに思い、何か計画していたのかと聞いてみると、三連休だし遠出したかったとの回答。
そっかぁすまねぇなぁと適当に返すと、どうでもいいと思ってるだろうとあっさりバレた。
「省吾はクリスマスにホールケーキがあればいいんだろ」
あ、いじけ始めた。こいつがつっかかりだすと本当に面倒臭いのだ。男前な顔して女々しい所は時々困る。ハルのこんな側面を知っているのは俺だけだ。多分。
「まあ、俺はお前が居ればいい」
眉間のシワが取れ、たちまち笑顔のハル。
ここで機嫌を取っておく能力も、四年の付き合いで結構身についたと思う。
「夜は家で鍋でもしようぜ。新しいコタツ快適だし」
冬の季節用にと、俺の強い要望により先日コタツ一式を購入したのだ。リビングはコタツ仕様に衣替えをして、とても快適だ。
コタツの中でゴロゴロしながら言葉を続けると、突然視界が暗くなり、上からハルが被さってきた。
「重っ! どけってテレビ見えねー」
「わかった俺は省吾の為に鍋を作って待っている」
「わかったからどけ」
「何鍋にしようか」
「重いっつーの!」
むぎゅううと抱きしめられ、手足をばたつかせても離れる気配のないハルに俺はテレビを諦め、ハルの頭を引き寄せキスをした。
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