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ホワイトクリスマス 6
タクシーを降り、フニャフニャの佐藤さん(巨体)をなんとか支えながらエレベーターへ向かう。
「佐藤さん、エレベーター乗りますよ。何階ですか」
「……ん……誰だあ?」
この寒空の下に置き去りにしたら、岩のようなこの人でも流石に死んでしまうだろうか。
「ったく、誰でもいいですよもう……部屋はいくつですか?」
「ごーまる、さん」
巨体に押し潰されそうな格好でなんとかエレベーターの中まで入り、一息着いた途端、背後から倒れかかってきた巨体。
押しボタンに気を取られていた俺はそのまま前へと倒され、壁に思い切り額をぶつけた。
「ってぇ……」
このモゴモゴ言ってる巨体が先輩じゃなかったら殴ってるよマジで……。
チンという音とともにエレベーターの扉が開く。俺に寄りかかったまま寝入っている先輩の肩をバシバシと叩いた。頼む、動いてくれ。
「佐藤さん、起きてくれなきゃここで置いていきますよ」
「い……嫌だよお……」
何歳だよ……。
無理矢理担ぎ、部屋のドアまでたどり着いた頃には真冬だというのに汗だくになった。休日出勤までしてこの重労働、納得いかねぇ。
玄関に倒れ込んだままの先輩の横で俺もしゃがみ込み、息を吐いてネクタイを緩めた。
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