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ホワイトクリスマス 9

 そんな事を改めて考えながら、怒られるのを覚悟してハルに連絡をいれようと、ポケットのスマホに手を伸ばした時。  着信が入り取り出すと、着信表示はハルの文字。  やばい、先にかかってきた。恐ぇ。 「……はい」 『終電なくなっただろ』 「あー、うん」 『何やってんだよ』 「……ゴメン」  弁解する言葉もなく謝罪を口にすると、ふぅとため息が聞こえ。 『帰るぞ』 「え?」 『うしろみてみろ』  言われるままに振り返ると。  少し離れた先に、眉間にシワを寄せたままこちらへ向かって歩いてくるハルが見えた。 「……あれ?」  耳からスマホを離し、我ながら間抜けな声をだすと、ハルはぶすっとした表情のまま口を開いた。 「青木に感謝しろ。多分終電間に合わないから迎えに行ってやれと電話があった」  青木。なんて良い奴なんだ。 「……酒、飲んでないの?」 「こんな事もあるかと飲まずに待っていた」  さすが。 「……あ」  ハルを見上げたまま小さく声をあげ、手の平を広げる。 「どうりで寒いと思った」  はらり  はらり  小さな白い雪が、空から静かに降りてきた。  ハルも空を見上げ、ああと少し笑う。 「初雪だな」

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