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ホワイトクリスマス 10
木々に。
ベンチに。
外灯に。
片隅に置かれた自転車に。
粉雪は音もなく、静かに降り積もる。
明日の朝にはきっと、街中が白く染められているのだろう。
俺はスマホをポケットに戻し、ベンチから立ち上がってハルを見上げた。
「メリークリスマス」
「なんだよ、調子いいな」
「雪だし。寒いし。帰ろうぜ。コタツ入って鍋食いたい」
ハルは呆れたようにため息をついてから、ふっと笑った。
「……うん、帰ろう」
それから俺達は並んで歩き出した。
ふたりの家に、一緒に帰ろう。
『メリークリスマス』
<終>
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