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愛のしるし 33

「お前と、その……約束、してたし」 「初詣?」 「じゃねぇよ、帰ったら、するって……」  そこでやっと気付いたのか、ああ、と呟き俺の髪に鼻を埋める。くすぐったい。 「そんなの気にするな、省吾が隣に居てくれるだけでいい」 「……じゃねぇよ」 「うん?」 「俺が、お前に………触れたいんだ、気付けばか」  ハルの動きが一瞬止まり、それから身体を引き上げられ、見つめ合う。 「あんま見るな、恥ずかし」  言い終えるより先に口を塞がれるのはいつもの事で。  何度もキスを交わし、裸になったハルと俺は肌を寄せ合い、お互いの身体を求めあった。 ◇◇ 「省吾、触れられた所言って、消毒する」  晃はバイ菌か。青木のお猿扱いより酷い。 「こんなでかい跡付けやがって……あの男」  晃に付けられた首筋の跡が目に入ったらしく、ビリビリと苛立ちが伝わる。 「他はどこを触られた」  や、ていうかほぼ全身だし……とはいえず。  黙っていたら肩を噛まれた。痛い。機嫌悪くなってるし。  ここはここはと聞くもんだから、適当にあーとかうーとかいってたら、全部じゃないかとキレだした。 「まさかあの男、ほんとは最後まで」 「やってない! 指突っ込まれただけ、晃の突っ込まれるのは寸前で……」  そこまで言ってハッと口を閉じたが遅かった。  言わなきゃよかった。ハルの表情が大きく歪む。  それから強く抱きしめられた。

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