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愛のしるし 36
ハルの指が内壁を押し撫でて、少しずつ解していく。俺の身体を労わるハルの優しさが指の先から、触れ合う肌から伝わってくる。それが嬉しくて、泣きたくなる。
「ハル……もう、大丈夫だから」
「まだ、もう少し」
「待てない、早く」
待てなかった。早く、すぐにでも、ハルとひとつになりたくてたまらない。
「省吾……」
ハルが嬉しそうに微笑み、俺の唇をチュウと吸い上げる。離れた唇はすぐに再び重なり、触れ合うだけのキスを何度も繰り返した。
「痛かったら、言って」
固く体積を増したハルの屹立が、俺の中へと入ってくる。身体を押し開かれる感覚に下半身がビクビクと震え、甘い吐息が漏れた。ハルとひとつになる瞬間がたまらなく愛しくて、重ね合わせた手の平と指先に力を込める。
「ん、あっ……あ……ハ、ル、ハル」
「省吾、俺の……省吾」
ハルの声と突き上げられる衝撃に、俺は自ら腰を揺らしてそれに答えた。
ハル、ハル、ハル。
好きだ。
好きだ。
「すき、だ……」
ハルが俺の中で飛沫を上げたのと同時に俺も白濁を放ち、強く抱きしめ合った。
◇◇◇
手を伸ばせば届く。
ぎこちなくハルの指に触れると、ゆっくりと包み込むように握り返されて、目の奥が熱くなる。
ハルが隣にいる。
「ハル……」
「うん」
「……愛してるよ、お前の事」
照れずに、言えた。
ハルを見つめれば泣きそうな顔をして、それから微笑み、長いキスをくれた。
<終>
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