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AAA(社会人四年目:一月)1
外は雪。
寒いし出掛けるのも億劫だしと、暖房の効いた暖かい部屋の中でさらにこたつに入り、みかんを剥きながらDVD鑑賞。というのはついさっきまでのハルと俺。
で、今の状況。
固くて冷たい冷蔵庫を背に自由を拘束された俺と、俺のシャツを捲り上げ胸に舌を這わせるハル。
って、この展開おかしいだろ絶対。
「急になにやってんのお前、離せ」
「だって省吾が俺に背中を向けるから」
何だそりゃ。
「喉渇いたからビール取りにきただけだし。しかもお前にもいるかとちゃんと聞いたぞ」
「去る後ろ姿を見たら身体が疼いて」
阿呆だ。
「お前ね……どんな発情期だよ、うぜぇ。どけ」
返事の代わりにハルの硬く尖った舌先で胸の先端をくすぐられ、思わず吐息が漏れる。口ではやめろといいつつも身体は正直で、じわじわと熱を帯びていく。ハルに触れられた肌から沸き上がる疼きに、俺はたまらず目をつぶった。
「昼間っからお前、ほんとなんなんだよ……」
「仕方ないだろ、二人で居られる時は、省吾と片時も離れたくないんだ」
からかうように囁くハルの声。耳たぶを甘噛みされ、肌が粟立つ。
胸の尖りを強く吸われて痛みが走り、思わず声を上げると、ハルは舌先で先端をくすぐりながら更にきつく吸い上げた。痛みは痺れる快感へと変わり、気付けばハルの首に腕を回し、甘いキスを受け入れていた。
ハルの柔らかな唇が重なり、押し込まれた舌に自分の舌を絡ませれば、それが合図となり俺達は狂ったように激しくキスを求めあった。
「はっ……んっハル……」
左手で胸の先端をつまみ上げ、右手で俺のベルトを外しジーンズを引き下ろすハル。
こんな時でも器用なハルに感心する。俺は息が上がる程、余裕がないっていうのに。
冷蔵庫の前で半勃ちな息子を握られるこのシチュエーションをおかしいだろと思いながらも、先端を親指で押し潰されると先走りがトロリと滲む。なんて素直な俺。恥ずかし過ぎて下を向き目をつぶると、ぎゅうと抱きしめられた。その間もハルは片手で俺の息子を弄り倒している。ほんともう何なんだこいつ。
「外は寒いし、今日は1日中省吾とこうしていたい」
「あほかっ……」
俺の顔を覗き込み嬉しそうな笑顔を見せるハル。
結局いつもこれに流されるんだ、俺は。
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