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AAA 4
◇◇◇
「……疲れた」
「省吾、シャワーは」
「も、いい。あと」
まだ熱の残る俺の身体を抱きしめながら、器用に毛布と布団をかけてくれるハル。
「熱い、布団いらねー」
「すぐに冷えるから駄目。風邪を引く」
「んじゃお前がちょっと離れて、マジ熱い」
「それも駄目」
逆にぎゅううと締め付けられ、面倒になった俺は抵抗する事を諦めた。せめて布団から顔だけでも出したいんだけどな。
目の前にはハルの引き締まった胸。
無駄な肉がないよなと感心しながら、ペロリと舐めてみる。汗のしょっぱさをほんのりと感じる。
「省吾、終わったそばから誘ってるの」
ぐいと身体を引き上げられ、やっと布団から頭を出せたけれど、気分はまるで釣り上げられた魚だ。
「誘ってねーよ、仕返し」
だと言い切る前に唇を塞がれた。でも激しくはない。ぎゅうと抱きしめられながらの、長い、長いキス。
こんな時、いつも思う。
ハルはどうして、俺の事好きなんだろう。
ハルから溢れ出る愛情が、俺の中へと流れ込んでくる感覚。
そしていつも、それを上手く返せない自分に苛立つ。
俺も好きだ。すげぇ、好きだ。
でも俺の愛情は、お前に半分でも伝わっているだろうか。
やっと離れたハルの唇から小さなため息が漏れて、俺はハルの顔を見つめた。ハルは俺に不満かもしれない。愛情が足りないと、寂しく思っているかもしれない。
「省吾、どうしたらいいんだろう」
「何が」
「省吾が俺から離れようとしたら、俺は省吾を殺してしまうかも知れない」
唐突な物騒発言に、喉からひゅっと声が漏れた。
綺麗な顔を切なげに歪めながら言われると本気すぎて恐えぇ。でもそれも、俺の愛情表現不足のせいなのかもしれないと思えば、考えなければいけないと真面目に考えてみる。
けれど段々可笑しくなってきて、とうとう笑いが漏れてしまった。
「笑うな、俺は本気だ」
「てか、いらねー心配とか考えんの無駄」
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