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幸せになる方法 6
今年は西南西を向いて食べるらしい。
とりあえず腹も減ってるし、早く昼飯にしたい。
昼飯はコタツの上に準備をして、リビングで食べる事にした。コタツだとハルは対面ではなくL字型の位置に座る。
お茶を用意したハルが席についたところで、ハルに言われた方向を向く。
「ちゃんと願い事を思い浮かべながら、途切れないように一気に食べるんだよ」
「はいはい」
いただきますもそこそこに、海鮮恵方巻に丸かぶり。
願い事か。
まずは母ちゃんの健康だろ、それからハルの健康で、それから……。
ふと隣に視線を向けると、ビックリする位凛々しく真剣な顔をしたハルが、眉間にシワを寄せ黙々と恵方巻にかぶりついていた。
「ぶっ」
思わず吹き出してしまった。
ギョッとした表情でこちらを振り向きながらも黙々と食べる事を止めないハルを見てまた吹いた。
「だっ……駄目だもう耐えらんね……」
笑いが止まらなくなって腹を抱える俺を横目に、しっかりと食べ終えたハルが怒り気味に口を開く。
「省吾、せっかくの行事なのに何笑ってるんだよ」
「いや、わりぃ……てかでもだってお前、めっちゃ凛々しい顔して太巻食ってるし、駄目だ笑える」
笑いが止まらない俺を呆れた様子で眺めていたハルも、やがてつられて笑いだした。
「ふっ……はは」
「マジ顔すぎるし、無理、笑う」
気付けばふたりで大笑いして、それでも足りなくてひっくり返ってさらに笑った。
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