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雪の日 2
タイミングの良すぎるメッセージに驚き、思わず辺りを見回す省吾に気付いた岡田が、どうしたんですかと声をかける。
何でもないと言葉を返し、スマートフォンをコートのポケットの中へ戻そうとしたところで再びメール着信が入った。
『外へ出るときは雪だからって面倒くさがらずに、ちゃんと傘をさして歩くように』
省吾はぷっと吹き出し、お前は母ちゃんかと心の中で突っ込んでから、雪の中で犬みたいにはしゃいでいる岡田に声をかけた。
「雪すごいし、傘させよ」
省吾は玄関脇の傘立てに置かれたビニール傘を二本手に取り、雪の世界へと足を踏み入れた。
夜もまだ雪が降っていたら、ハルと待ち合わせをしよう。
真っ白な雪の中を、ふたりで並んで歩いて帰ろう。
傘はわざと忘れていこう。
「香取さん、なにニヤけてるんですか」
隣を歩く岡田に指摘され、慌てて頬を引き締める。
「寒いし、あったかいもん食べようかなと考えてたんだ」
「ですねぇ、今日の日替わり定食何かなあ。あでも、すき焼き定食にしようかな」
温かい食べ物に心を持って行かれた岡田の言葉に相槌を打ちながら、省吾はハルのメッセージにどう返信をしようかと考え、やはり無意識に頬を緩めてしまうのだった。
<雪の日:終わり>
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