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Cheese☆Pizza 7
「帰ろうか」
ハルの言葉に返事をする代わりに俺の腹がぐぅと鳴り、ハルは小さく声をだして笑った。
「ピザ食べて、散歩しながら帰ろう」
天気良いしねというハルは嬉しそうに微笑んでいて、それを見た俺も、小さく笑った。
ピザを食べて、ビールを飲んで、腹がいっぱいになったらきっと眠くなって。公園で昼寝も悪くない。
「いいな、昼寝」
「昼寝?」
急に何を言い出すのかと笑うハルと一緒に歩きだす。
さっきまでのムカつきなんて、いつの間にか消えていた。
「ハル、さっきはその、悪かった」
「好きだよ」
「ああ、好……」
つられて言いそうになり、思わず口を閉じた俺を見て、惜しいと笑うハル。
それからふたりで並んで歩きだした、その時。
「あ、そうだ。さっきあの男に会ったんだ」
「あの男?」
「うん、自販機の前で。電車で省吾を見かけるとか言ってただろ。俺のものに手を出すなと言っておいた」
「……はあっ!?」
「だってまたしつこくされたら困るし」
「おまっ……ふざけんな!」
「ちょっと強めに言っておいたから、もう変なことしてこないと思うけど、何かあったらちゃんと隠さず俺に話してね、省吾」
強めにって、どんな風に言ったんだか。
綺麗な顔してこいつは本当にそこいらのゴツイ男よりかよっぽど恐い。
俺は脱力気味に笑いながら、色んな側面を持つこの男の横顔を見つめた。
(……まあいいや、もう)
どんなハルも全部ひっくるめて受け止めて、一緒にいると決めたんだ。
日曜日の昼下がり。
春の陽の下を、ハルと俺はのんびりと歩いた。
<Cheese☆Pizza:終>
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