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きみは誰のもの 14

 やっぱり、わかんねぇな。  気が付いたら好きだったんだ。  気が付いたら、幸せの基準が『ふたり』になってて、ひとりで感じる幸せなんてもう、幸せじゃなくなってた。  他と取り替えなんてきかないと思ったんだ。  だから、一緒に居たいと思った。  ああ、そうか。  そうだな。  友達よりも。  恋人よりも。  もっと、近い存在になりたいと思ったんだ。  好きとか、嫌いとか、そんな面倒な感情、全部ひっくるめて。  俺はハルと、家族になりたい……。  ハルの体温を探しながら、ふわふわした気持ちのまま、俺は眠りに落ちていった。 「香取ったら、実は激しく甘えたなのねー」  俺に握りしめられた左手をどうしようかと半笑いの青木が呟いた言葉はもう耳には聞こえず、後々からかわれる羽目になることは勿論知らぬまま。

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