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きみは誰のもの 15

◇◇◇  明け方に目覚め、左側に気配を感じクルリと寝がえると、目の前にはスコスコと寝息を立てている青木の寝顔。  むくりと起き上がり薄暗い部屋を見渡せば、記憶通りベッドが二台。どっから見てもツインルーム。  ……何でこっちで寝てんだよこいつ。気持ち悪リィ奴だな。  大きく欠伸をひとつしてから、ヨタヨタとバスルームへ向かう。 「……頭いてぇ」  軽く二日酔いの頭を冷やそうと水をひねりシャワーを浴びた瞬間、予想以上の冷たさに思わずブルリと身体が震えた。  湯温を切り替え、やがて浴室内に湯気が立ち込めた頃、目を閉じシャワーを浴びながら、先日ハルと一緒に風呂へ入った時の事を思い出していた。正確には断りもなくハルが勝手に入ってきやがったのだけれども。  突然背後からぎゅうと抱きしめられ、耳たぶを甘噛みされて思わず吐息を漏らすと、ハルは嬉しそうに頬を寄せた。 『省吾』  吐息交じりの囁きは、どこまでも甘く、静かに、心に響く。 『好きだよ……』  ハルの長い指先が胸の尖りに触れただけで、そこから全身に熱が走る。 『ハル、やめっ……風呂上がるまで待っ』 『待てないよ……ほら、省吾のここも』  片手で尖りを捻り上げながらもう片方の手を腰下へと降ろし、半勃ちの俺の先端からトロリと溢れたものをハルは親指で押し広げていく。 『こっちむいて、省吾』  舌を絡めあい、キスを繰り返しながら、いつも思う。  もっと。  全てが絡み合って、ひとつになれたらいいのに。

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