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きみは誰のもの 17
◇◇◇
朝食を終え、前日予約していたダイビングショップの送迎バスに乗り込んだ三人を見送った後、俺はひとりレンタカーのキーを握り駐車場へと向かった。
「はあ、やっとのんびりできる……」
青木達のしつこい誘いも、ひとりで懐かしい景色を見てまわりたいという一言ですんなり諦めてくれた。
それはそれで助かったけれども、昨日の一件から奴らは俺の過去をワケアリなものだと勝手な妄想を膨らませているようだ。
「どーでもいいけど……」
エンジンをかけ、さてどこへ行くかなとゆっくり車を走らせ程なくして目に入ったのは一軒の古びた沖縄そば屋。
朝食時間は食欲がわかず、パンと珈琲しかとらなかったなと思い出せば、そばのにおいに腹が反応し、ぐうと鳴る。
沖縄といったらソバだよなとひとりごち、空いている駐車場へ車を止めて、店内へ吸い込まれるように入った。
窓側のカウンターに座り、ソーキそばを注文してからふと窓に目を向けると、目の前の大通りはまだ人通りも少なく、のんびりとした店内の空間も妙に落ち着く。
天気も良いなと空を見上げれば、向かいのホテルが目に入った。
「ダイワ・ロイヤル……ホテル……」
でかでかとかかれたホテル名を何気なく読み上げ、聞いた名前だなとぼんやり考えた次の瞬間、ハタと我にかえる。
ハルの宿泊先じゃねえか?
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