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きみは誰のもの 35
指輪にチェーンを通し俺の首にかけたハルは、似合っていると囁いて、嬉しそうに微笑んだ。
俺は多分茹で蛸みたいに真っ赤な顔で、めちゃめちゃカッコ悪いんだろうな。
ああでも、もう何でもいい。ハルが居てくれたらいい。
ハルが居てくれたらもう。
「ハル、俺さ……いつも考えてた」
「うん?」
「お前とずっと一緒に居たいし、お前は居てくれるんだろうなって、思いながら、俺はいつも願っちゃってたんだよ、ずっと一緒に居て欲しいって」
不思議そうな表情を浮かべて俺を見つめるハルから目を逸らし、視線を落とす。
「でもその度に、ホントはそんなの夢だって思ってた。俺は男だし、お前の将来を考えたら、いつかきっと邪魔になる。だからホントはずっと一緒になんて、無理だよなって、頭の隅ではわかってて……でもどうしたらいいかわかんなくて、ただ一緒に居たくて、難しい事は後回しにして、目の前の幸せだけを見てた」
息を吐いて顔を上げると、眉間に皺を寄せて俺を見つめるハルがいた。
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