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きみは誰のもの 42
「……あっそ。適当に上がれば」
確かに重たいハルを運んで貰ったのは申し訳ないと思い、サワケースケをリビングへ招いてからハルを寝室まで運ぶ事にした。
ベッドに寝かせて髪を撫でると、ハルは閉じていた目をうっすらと開けて嬉しそうに小さく微笑み、俺の手の甲を引き寄せキスをした。
その様子に少しほっとしたものの、具合の悪いハルなんて珍しくて、どう対処したら良いのかよくわからない。
「とりあえず寝とけ。水持ってくるか」
「ありがとう……後で貰う、少し寝て良い?」
帰る早々ゴメンと謝るハルに、謝るとこじゃねぇだろと軽く突っ込んでから身体を起こした所でふいに腕を掴まれ、そのままハルの上に倒れこんだ。 具合悪くても抱きしめる力は一緒って、どうなんだ。
「すぐ回復する……」
「わかったから離せ。あいつに茶を出さねーといけねぇんだよ」
「圭介? 帰ってないの?」
さっきの会話、聞こえてなかったのか。
「疲れたから茶飲んで帰るってさ。まあお前を運んで貰ったしな」
「お茶なんか出さなくていいから追い返して。省吾が危ない」
「なんで俺が危ないんだよ」
「あいつは何をするかわからない、息をしてるだけで危険な男なんだから」
なにその危険度MAX。社会に出ちゃやべぇだろそんな奴。
起き上がろうとしたハルをなんとか押さえ付けて、わかったすぐ帰すとなだめ、ぶうぶう言ってるハルを置いて寝室を後にした。
サワケースケとハル、仲が良いんだか悪いんだかホントわかんねーな。
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