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きみといつまでも 4

 俺の全身から吹き出る汗を、言葉通りに舐め始めたハルにドン引きしながらも、抵抗する事すら面倒になり、四肢を投げ出して脱力した。 「あ、省吾が抵抗をやめてしまった」 「も、いい……」 「ふふ、俺の勝ちだ」  勝ちもくそもねぇわ。  力の抜けた俺の左手を持ち上げたかと思えば甲に優しくキスをする恋人は、さながらどこぞの国の王子様だ。サラリと落ちるハルの前髪に右指先を伸ばし、触れて、撫でる。ハルの額にも汗が滲んでいることに気付き、なんだこいつも暑いんじゃねぇかと腑に落ちた。  指先から手の平までしゃぶりつくされた後、額からこめかみ、頬、耳、鼻先へ。唇に触れるかと思えば触れずに首筋へと伝っていくハルの舌は滑らかで、舐められる度に震えがこみ上げ、肌が粟立つ。 「ふ、んあ……」  鎖骨の窪みを入念に舐め上げられて思わず声が漏れると、可愛いと囁かれた。可愛いわけあるかと言い返したいのに、舌がうまく動かない。Tシャツを捲り上げられ、暑いし邪魔だし流れで自分から脱ぎ捨てると、若干涼しくなった気がした。とはいえ冷涼感は一瞬で、ハルの指腹と舌先に両乳首を舐られ身体の熱はみるみる上昇していく。 「省吾の乳首が可愛すぎて……一生しゃぶり続けていられる」  変態だ。変態なのに、気持ちよくなる部分をすべて知り尽くされていて、身体はビクビクと反応してしまう。程好い痛みに声をあげれば、更に強く捻り上げられた。 「省吾はここを痛くするの、ほんとに好きだね。腰を浮かせちゃって、もう我慢出来なくなっちゃったの」 「うるせ……お前がねちっこく、舐めまわすから……」 「うん省吾の汗美味しい、もっとちょうだい」  脇の下まで執拗に舐められ、勘弁しろと声を上げても一ミリも言うことを聞いてもらえない。  両脇を堪能され、知らぬ間にパンツまで引き下ろされている自分に驚いた。暑さで頭が働かない。待て、これはそろそろのぼせているのではと危険を感じた時には尻孔を掻き混ぜられていた。 「ふあっ、おま、いつの間にローション」 「リビングにも常備しておいて正解だよね」 「い、いつの間に……この間までなかっただろ、う、あっ」 「省吾、ごめん、ゆっくり擦るから許して」  太くて硬いハルのものが入口を押し広げ、自分の中へと入ってくる。もう何度もしている事なのに、高揚感でいっぱいになる瞬間が、堪らない。ビクビクと波打つ身体を抑えきれず、ハルの首筋へと両腕を伸ばし、その身体を引き寄せた。唇が重なり、舌先を絡め合う。根元まで咥えこんだ結合部を擦りつけられながら、口内を貪り合い、しがみつく腕に力を込めた。  ハルの身体から流れ落ちる汗が降り注ぎ、自分の汗と一緒になって、ぐちゃぐちゃに乱されていく。 「省吾、好き、大好きだよ」  腰を打ち付けながら言葉を吐くハルの表情は妖艶で、そんな恋人の姿を虚ろに眺めながら、自分はただ喘ぐ事しかできず、やがて目尻から涙が流れ落ちた。

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