396 / 428
きみといつまでも 7
◇◇◇
その夜。
無事に直ったエアコンをこれでもかとガンガン効かせたら、効かせすぎたらしい。仕事部屋に篭っていたハルが寝室へと足を踏み入れるなり、何だコレはとキレだした。
「直ったからって効かせ過ぎだろ。そんなに布団にグルグル巻きになって、何度に設定……十八度!? 何を考えてるんだ、エコじゃない事をするんじゃない」
そうだった、ハルはエコを心掛ける人間だった。
俺なりにほんの少し反省しつつ布団の中から顔だけ出して、プリプリしながらエアコンの設定温度を上げるハルに声をかけた。
「ハル、早くこっちこい」
「なに?」
モソモソとベッドへ潜り込んできたハルの隣に擦り寄ってみる。
あ、風呂上がりでポカポカしてる。
パジャマの中へと腕を差し込み、肌に直接腕を巻き付けて抱きついてみると、ホッカイロみたいで心地よい。
「……何やってるの?」
呆れ声の中にも、少し機嫌を良くしたらしく、ぎゅうと抱きしめ返された。
そのままハルの体温を感じながらウトウトと眠りについた俺は、その時ハルが何を考えていたなんて考える事もなく。
ともだちにシェアしよう!