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25時のメリー・クリスマス 12
◇◇◇
「省吾、身体痛い? ごめん、背中が赤くなってる」
「……」
二人で風呂につかり、俺の背中にぴったりと身体をくっつけているハルは、もういつものハルだ。
「……お前、一般的な限度とか知れよ」
「今日少しやり過ぎたのはお仕置きも兼ねているから仕方ない」
ぎゅううと抱きしめられても振り返る気力もない。
「……最悪のクリスマスだ」
「お風呂あがったら、ケーキがあるよ。省吾が大好きなロートンヌのショートケーキ」
「……」
「それに昨日はイブだよ。日付が変わったから今日が本当のクリスマス」
「……」
「仲直りして、甘いことしよう」
「うるせー、もう疲れた、あがったらすぐ寝る」
「うん、省吾は寝ててもいいよ」
「だからそういうのやめろ!」
「何しようかな」
「寝ろ!」
大きくため息をついてから、ふと気になっていた事を思い出した。
「そうだ、ハルお前、何で岡田のマンションなんて知ってたんだよ?」
「知ってたわけじゃない。GPSだよ」
「へぇ……ああ!?」
い、いつから……。
こいつやっばり、一歩間違えたら犯罪者になってしまうかもしれない。
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