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25時のメリー・クリスマス 13

 時計の針はとうに二十五時をまわっていた。  喧嘩してもなにしても、結局最後は二人肩を並べて今日も眠る。  抱き枕のように俺を抱きしめるハルにもすっかり慣れ、されるがままに放置して目を閉じる。 「省吾」 「んー……」 「メリークリスマス」 「んー……」 「省吾も言ってよ」 「……」 「寝るな」 「……」  寝たふりをしてしばらくするとあきらめたのか、ため息とともにぎゅうと抱きしめられた。 「……誰にも、触らせたくない……」  消え入りそうな声でごめんと呟くハルは、先ほどとは別人のようで。  でもどちらもハルなんだよなと思えば、自然と頬がゆるんだ。  やがてハルが静かな寝息を立て始めた頃。  俺はぎゅうと抱きしめ返し、小さく、小さく、呟いた。 「愛してるよ、お前のこと」  メリー・クリスマス。  大好きなきみと、二人なら。  いつまでも。 <25時のメリークリスマス 終>

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