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25時のメリー・クリスマス おまけ1

 次の日。  朝から岡田と話す機会のないままお互い外回りに出掛け、正午を回った頃事務所へ戻ると、岡田も戻って来ていた。 「お疲れ様です」  顔を合わせればいつもと変わらずの挨拶。けれどやはりどこか表情のかたいまま目をそらされた。さてどうするかと考えながら席についた時、向かいの席の岡田が突然思い立ったように立ち上がり。 「香取さん、昼、行きませんか」  真っ赤な顔の岡田に思わず言葉を詰まらせると、 「あ、もう食べてきちゃいました?」 「いや、まだ……うん、行くか」  ここで誘いに乗らなければもう話せる機会がないような気がして、俺は岡田と職場からほど近い定食屋へと向かった。  鯵フライ定食を待つ間、突然岡田がテーブルに額を押し付けるようにして謝罪を始めた。 「昨晩はすみませんでした!」 「いや、それはもう終わりにしようぜ、うちもあいつが酷い事してわるかった」 「されて当然の事をしました、本当にすみませんでした……」  下を向いたままの岡田を見つめながら、どう返したらよいかと間をおいたあと、俺が口を開くよりも先に、岡田のほうが先に口を開いた。 「同居人なんて、嘘ですよね」 「は?」 「彼女は居なくても、彼氏はいたんですね」  何だそのベタな言い回しは。

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