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第21話

トイレから戻った皐月の顔はとろんと蕩けるような顔に変化し、ペットボトルの水を渡すと素直に飲んだ。黒瀬はこの蕩けるような顔を見せたくなかったに違いないと何となく思った。 蒼は酔ってるのだろうと思い、微笑ましくその横顔を眺めていたが、顎から溢すように水が滴り落ちるので、流石に酔いすぎてるのではないかと心配になった。 「皐月、もう飲むのやめよう?映画消そうか?」 リモコンを持ち、スイッチを押そうとすると、急に皐月はがばっと身を起こして膝に乗ってきた。そして、蒼の太い首にしがみついてチュッチュッと軽いキスを首筋に何度も押し当ててくる。蒼はあまりにも唐突過ぎて、驚いて身体が硬直した。 「……蒼、好き……大好き…。」 潤んだ瞳でそう言いながら、シャツを捲し上げ顔を下の方に埋める。そして埋めた唇は割れた腹筋を辿るように舌先で舐め、這うように身体に触れていく。 「さ、皐月?……ど、どうしたの?」 こんな大胆で積極的な皐月は見たことがなかった。一体何が起きているのか分からず、戸惑いながら下へ下へと身体が下りていく皐月の髪を撫でた。 いつの間にか皐月はキスをしながら、蒼の下着を下ろし始めている。 「………舐めていい?」 赤黒くまだ半勃ちな雄を手に取り、皐月は上目遣いでこちらを見上げる。その表情は妖艶でとても魅力的だった。駄目だとも言えず、心配になりながらも蒼は軽く頷いた。 薄暗く、間接照明とチカチカと映るテレビのライトが仄かに後ろから皐月を照らされ、その姿はとても妖艶に見える。 「………んっ……皐月、本当にどうしたの?大丈夫?酔ってるよね……?」 皐月は蒼のまだ柔らかな雄を咥えながら、陰嚢も揉むしだく。今までも口で舐めて貰ったが、今回はなんだか違う。手を動かしながら、舌がねっとりと陰茎に絡みつき、先端を吸いながら、ぎゅっぎゅっと口腔内で執拗に責めていく。そしていきり勃ち始める太い血管を丁寧に沿うようにゆっくりと舌先でなぞる。 「………ふぁおい…感じてる……」 皐月は蒼の心配そうな言葉が届いていないのか、咥えながら見上げて、満足そうに笑った。雄はみるみるうちに硬くなり、皐月は喉まで押し込むと、顔を上下させる。 「………皐月…駄目だよ…で、出ちゃう…。」 顔を手で隠そうとすると、皐月は指を絡ませてそれを許さなかった。 「……隠さないで…蒼のイクところ、見た…い……」 一端、雄茎から唇を離し、ニコッと皐月は笑った。そしてまた雄を根元まで咥え、次は喉奥まで深く飲み込み扱かれる。何度も深く扱かれると、限界がきそうだった。 「……んぅっ……駄目…さつ…きっ…!」 ギュと皐月の指が自分の指先をソファに縫い止め、ビクビクと腰が動いた。顔に押しつけるように腰を動かし、白濁した液体が皐月の喉の奥まで放たれる。ドクドクと腰を皐月のうすい唇に押し付け、奥深くまで放った。草叢に顔を埋め、皐月はジュウと音を立てると、ごくんと喉を上下させてゆっくりと味わうように飲み込む。普段自分が皐月へ行っている事をされ、蒼は羞恥心と恥ずかしさで息が荒くなった。 皐月は飲んだ後も残滓まで吸い取るようにぎゅうぎゅうと吸い続け、口の中でまだ硬さが残る雄の鈴穴をちろちろと舌先で舐めている。 「……沢山、出たね。………飲む?」 満足したのか、皐月は唐突に唇を離して、上に乗っかり、押し当てるようにキスを重ねると急に苦く生臭い味がして、蒼は顔を顰めた。 意地悪な表情で挑発するように微笑み、滅茶苦茶にしたくなる。 これじゃあ、まるで逆だ。 主導権が完全に皐月に握られ、このまま犯されそうだ。 「………皐月、する?」 そう聞いて、テレビの音量を下げた。皐月はいつのまにか赤ワインを手に取って口に含んでいたので、急いでその指先からグラスを奪った。 そして、服に手を入れ、胸の突起を撫で、ぷくっと膨らんだその部分に触れるとピクッと躰が揺れた。 「……蒼、したい。……前戯はいいから、挿れて欲しい。」 甘い声で耳朶を噛まれ、潤んだ瞳を近づけながら強請る皐月を眺める。頬は上気して息は荒く、酷く酔ってるわけでもない。でも普段の皐月とは違い、別人のように求めてくる。 深いキスをすると、渋く重いワインの味が口腔に広がる。 「皐月、ローション持ってくるよ……。」 寝室へ行こうとして立ち上がろうとすると、手を掴まれソファに戻された。 「…………蒼、準備してるから、早く…挿れ…て。」 膝立ちになり、履いていたズボンを下ろすと、皐月は掴んだ手を後孔に触れさせた。下着を履いてないのかと思ったら、後ろの生地がない下着を履いて言葉がでなかった。曝け出された尻の入口が腫れぼったく膨らみ、トロリとローションが垂れている。 「さ、皐月!?」 驚いて、何が起きてるのかよく分からず皐月を凝視してしまう。 「蒼、煩い。………もう挿れるよ。」 怒りながら皐月は唇を貪り、腰を落としていく。激しくキスをされながら、こんなに厭らしい下着をつけて映画を隣で観ていた事を想像してしまう。 「……んっ…蒼、硬いね。見て…ここ…お腹、膨らんでるでしょ……アッ…。」 皐月は蒼の掌を取り、自分の腹へ押し当てた。蒼の雄が腹の中で形取られ、腰を動かすと前へ擦り合うように動いた。 「……ンッ……皐月…だめ…だ。」 大胆で卑猥な皐月は悦楽に浸りそうな蒼の歪んだ表情を確認すると、口元を緩めて微かに微笑んだ。 「…ッ…ンッ………ほら、動いてる……。気持ちいい?」 腹の膨らみを外側から押して優しく撫で、また腰を動かした。こんな厭らしい皐月を見るのは初めてで、黒瀬の顔が浮かび、無性に悔しくなり、堪らず上に乗る皐月の腰をぐっと引き寄せて激しく唇を貪った。 「………ああああッ…んっ…。」 「………皐月、なんだか、違う人みたいだ……。」 互いに深く舌を絡ませて、唾液を吸った。蒼は上顎をなぞりながら窪んだ部分を舌でなぞる。 「…あっあっ……ンッ……。」 グチュグチュと結合部は音を立てて密着し、皐月も快感を絞り出すように腰を動かす。普段なら顔を真っ赤にして恥ずかしそうに、もじもじと動くのに今日は艶かしく動き淫乱に見えた。 「………ツッ……。」 唇を離すと、皐月はまだ傍にあった赤ワインを口に含んだ。飲んだかと思うと、急にソファに押し倒され、上から見下ろす態勢で蒼の乳首を口に含み舌で愛撫した。 「…ふふ、蒼、乳首弱い……ね…。」 不敵な笑みを浮かばながら、吸ったり舐めたりと舌で愛撫してくる。絶対に見たことない積極的な姿にたじろぎながらも、言われるままに身を預けると犯されるような気分になった。 「………さつ…き………。」 ぴちゃぴちゃと音を立てるように舐められ、飽きると鎖骨を噛まれた。 「……あお…い…気持ち…い…い…ァッ…。」 両手で腰を押さえて、下へ押し込めるように皐月を深く突いた。こんな醜態を皐月は黒瀬に露わにしていたかと思うと、許せず、黒瀬もそんな皐月を覚えていた事に腹が立つ………。 腰を抱き寄せ深く貫きながら、起き上がり胸を執拗に愛撫した。 「……皐月、お返し。」 そう言いながら、片手で捏ねて転がし、もう片方を口で吸って舐める。ビクビクと躰が反応し、皐月は腰の動きを早める。 甘い吐息と喘ぎ声が漏れ、背中に回された手が喰い込むようにしがみついてくる。 「……あぁぁっ……んっ……ッ…蒼、好き…っ……。」 「うん、愛してる。」 低く甘い声を耳元で囁くと更に躰はビクビクと痙攣し、何度も皐月は絶頂に達した。

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