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第18話

トイレをすませ、浴室の入ると蒼のシャンプーの香りがした。 まるで蒼が傍にいるような気分になり、緊張してしまう。 熱いシャワーを浴びながら、頭と身体を洗って、一応自分で準備をしておこうと思った。 普段なら蒼が一緒に準備すると言い張るが、今日は喧嘩も避けたいし、穏便にすましたいので、自分でするしかない。 蒼が何を考えているのか分からず、不安には思うが、せっかくの休日なので仲直りをしたかった。明日の予定は蒼は午後から出勤で、自分は締切もないので、また同じように駄文を連ねるのみで夜は十分に時間は確保できている。 シャワーを止めて、シャワーヘッドを外し、蒼が用意してくれた洗浄用の細長いゴムキャップを手に取って、ノズルに取り付けた。黒のキャップはすんなりとはいり、お湯を出すとゆっくりと流れ出ていく。 そして棚に置いてあるローションをキャップに塗り、シャワーの水流を徐々に上げていく。チョロチョロとぬるま湯が床へ滴り落ち、それを脇へ置いた。 誰もいない浴室で座り込んで、足を開きあられもない恰好を晒す。 呼吸を静かにゆっくりと落ち着け、ぬるついた指先でぴたぴたと孔に押し当てた。そしてくるくると第二関節を使いながら、周囲を押して撫でるように何度もなぞった。入口が段々と柔らかくなり、徐々に孔の入り口が拡がっていくのがわかる。そして入り口の周辺と孔の中の境界の感覚が麻痺するように無くなり、しだいに曖昧に感じていくと指を飲み込んでいった。 「………っ……あぁ……ん……」 普段蒼にされている事を思い出しながら、初めて自分で同じようにやってみるが、物凄く卑猥な事をしているんじゃないかと感じ、鏡に映る自分が見えるとすぐに視線を落とした。 ずくずくとなった後孔にノズルの先端を押し当て、ゆっくりと腹を圧迫させる。 「…………んっ……」 こんな姿を蒼が見たら、どう思うんだろう………。 急に恥ずかしくなるが、懸命に行為を止めることなく続ける自分が鏡に映る。 細長いゴムキャップが後孔に這入り、孔の先へお湯が溜まり、それをゆっくりと押し出してお湯を孔から出す。弱い水圧でゆっくりと腹へ溜まるお湯を感じながら、数回繰り返した。 『……………やりすぎると駄目だからね。皐月、あまり洗いすぎないで………』 よく蒼は耳元でそう囁き、後ろから抱き締めると、恥ずかしい醜態を晒している自分の腹の膨らみを優しく撫でた。ゆっくりと膨らんでいく様子を鏡で見せつけられ、嫌という程、洗浄を覚えさせられたを思い出す。 ずくずくになって洗浄した孔にローションを注入し、準備を終わらせるとぐったりとふらつきながら、浴室を出た。ふいに太腿にローションが垂れて、タオルでぬぐい、ドキドキと胸を高鳴らせる。ドライヤーで髪を乾かして、リビングに顔を出すと部屋は関節照明で暗くなっており、テレビがついている。 「蒼?」 「………皐月、赤ワイン飲む?」 にこっと爽やかに笑いながら、蒼はボトルとグラスを用意していた。

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