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番外編『皐月、セックスレスで悩む』4
試しに箱の中から一つ手に取ってみる。
選んだバイブは細身で水色をしている。無機質なデザインをしており、細長い膨らみが三つほど繋がっており防水加工されており、想像していたのより、グロティスクではない事にほっと胸を撫で下ろす。蒼には知られないように、受取りは時間指定し、荷物はトランクの中に隠していた。一応、朝シャワーを浴びた時にこっそり自分の後ろの準備もして万全の状態である。
狭い書斎でするのも憚れるのでバイブを片手に寝室に行き、早速脱いだ。ベッドの片隅に置いてあるローションを手に取り、バイブにコンドームを嵌めてローションをつける。ぬるついたバイブが怪しく陽光に照らされ、朝から罪悪感が湧いてから気がした。
本当にこんなので解消出来るのか不安になりながらも、背中をベッドの背もたれに凭れかけて、ゆっくりと上半身を起こした状態で閉じていた脚を開いていく。流石に全裸だと寒くなり、ベッドの上に置いてあった蒼のシャツを羽織る。蒼の香りとムスクの香りが入り混じり、
朝から酷い格好だ。恥ずかしくなり、毛布を被せるがローションがベタついて付着してしまう。
蒼に抱かれることを想像しながら、乳首を片手で弄る。自分で触るが、上手く出来ずもどかしい。
「………ンッ………。」
ゆっくりと息を吐きながら、両手でバイブの先を後孔に押し当てる。少し硬い先端が入り、ローションのお陰かしんどくはない。
「……ぁっ…あっッ……ンッ……。」
さほど力を入れなくとも、ローションがぬるぬると飲み込みんでいく。
「んあっ…!…あぁっ…。」
ヌッとバイブの1つ目の膨らんだ部分が孔の浅い部分を擦り上げる。
蒼の雄とは違う、冷たく硬いが久しぶり過ぎてすぐイきそうになってしまう。どんどんと奥に自分で拡げるようにゆっくりと押し込むように動かす。二つ目の膨らみがするっと這入り、やっと三つ目の部分まで飲み込む。
息苦しさもあるが、段々と慣れていき、スイッチ部分の手前まで挿入出来た。浅く動かすだけで、ぬちぬちと卑猥な音が出た。
「……ッ……。」
比較的細身のタイプなので、難なく挿れてしまうとなんて事は無さそうな気がした。案外余裕で、こんなモノかとタカをくくりそうになった。
なんだ、意外と普通……。
ふいにバイブ機能があったのを思い出して、スイッチを押す。ブーーーーというような機械音と振動がナカで無常にも響いて揺れる。
「……ヒッ…あ、ダメ…ンッ…嫌っ…いやっ……あぁっ…ンッ…。」
止めようとするが、力が抜けて抗えない。
中をかき混ぜるような感覚に何度も達してしまいそうになる。精液が出ないままビクビクといつの間にか達してしまった。
「あァッ…あーー。」
達しながらも頑張って手を伸ばして、バイブの振動を止める。
ゆっくり抜こうとすると、前立腺に当たり、ビクビクとまた身体が揺れた。半年もおあずけを喰らった身体は敏感に反応してしまう。
こんなんじゃ、他の玩具なんて試せない。ひくついた孔からゆっくりとバイブを抜いた。
弛緩しきった孔からはローションが伝い落ち、ひくひくとひくついている。
初日から目がチカチカするほどの感覚に驚きながら、ぐったりと横になった。
すごい。
物足りなさはあるけど、すごい。
確かに欲求不満は解決されそうだ。
細身でこの威力だ。
もっと太いのを挿れたら……と想像するが、新しい扉をさらに開きそうなのでやめた。
他にエネマグラ、ローターもある。
まだまだ試用の機会はある。ぼんやりとした頭で、瞼を閉じた。
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