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番外編『悠君、お泊まりに来る』11

書斎に敷いた布団はこまめに蒼がクリーニングに出してくれたおかげでフカフカだった。汗を掻きながら、ぐっすりと眠り、いつまでも眠りにつきたい気分だ。 真夜中に書斎のドアが薄く開いた気がした。月明かりが青白く窓から床を照らし、ひたひたと小さな足音が耳元まで聞こえて、布団の中に潜り込んでくる。 ぼんやりとした意識の中で、布団に入ってくる身体を抱き締める。 多分蒼が心配になって来たんだろう。 ぎこちない動きで、キスされた気がした。 普段とは違う軽めのキスにゆっくりと唇を自分から押し当てて寝ぼけながら、柔らかい髪の毛を撫でる。 あれ?こんな髪だっけ? 瞼を開けようとしても、眠くて薄らとしか開かない。 あれ? いない? 真横に蒼の分厚い胸板が見えるはずだが、浅黒い蒼の褐色肌が見えず、夢かと思ってまた瞳を閉じた。 小さな腕で抱き締められ、蒼がいつの間にこんなに小さくなったのか夢の中で笑いそうになった。

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