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ボランティア研究部・夏計画②

 ボラ研の夏の活動は一週間ほどあとに決まった。  週明けに鈴木教諭に先日の会議の内容を相談した瑞樹。「いいんじゃないか」といつも穏やかな笑みの中年男性・鈴木教諭はノートの内容を読んで、言ってくれた。 「ただ、ラージサイト開催のはやっぱり間に合わないみたいなんです。三ヵ月くらい前に申し込みなんだとか」 「そうか、そりゃ大規模イベントならそうかもな」  それは残念であったが、逆に取れば次回の大型活動のときにはじゅうぶん余裕をもって申し込みを検討できるというわけだ。瑞樹の代では無理かもしれないけれど、来年などに活動候補の参考になるだろう。 「でもこれは今からでも間に合うんだろう」  鈴木教諭が指差したのは、今からでも申し込みができるいくつかのバザー出展イベントであった。駅前でのもの、夏休み中の小学校でのもの……規模は比べ物にならない。  けれどなにしろ初めての試みなのだ。こういう小さいところからはじめるのも、ある意味安心といえた。 「はい。早いのは今週末が締切だそうで」 「そうか。じゃ、それに決めるなら早いことしないとだな」  そのように打ち合わせは着々と進んでいって、駅前のバザー出展と、小さな合宿での奉仕活動をメインにすることに決まった。  そのほか夏休みの学校や近隣の清掃活動や整備、そんなものも請け負う。夏休みとはいえ、活動はなかなか多くなりそうであった。  しかし瑞樹はなにしろ三年生である。本格的な受験勉強はまだ早いが、夏休みの間もそれなりに勉強しておかなければいけない。  忙しくなりそうだな、と思う。それは瑞樹にとって、楽しい忙しさ、ではあったけれど。

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