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第6話

パーティーにはレフィシーナ王国の公爵家だけでなく、周辺国の皇太子も参加する。 誕生日くらいで大袈裟だと思うけど、今回は成人の儀があるので例年より規模が大きくなるのは仕方ない。 「久しぶりに会う面子もいるし楽しみだなぁ」 「楽しむだけじゃダメだ。いいか、公爵家のお嬢さん達とはよく話しておきなさい。婚約者を見定めるいい機会だからな」 「へぇ、婚約者…………婚約者ぁ!? なんだよそれ! 聞いてない!」 ぎょっとして思わず叫んでしまった。「婚約者」という言葉の衝撃が大きすぎて、胸の動悸がみるみる高まっていく。 いや、いやいや……いくら何でも突然すぎるだろ。 「落ち着け、今すぐにどうこうなるとは言ってない。結婚を考える歳になったということをわかって欲しいのだ」 「いやでもっ……成人って言ってもまだ十代だし」 「ふっ、やっぱり親子だな。私もそうやって父上からの見合い話を散々拒んでいた。だが……急病で父上が亡くなり突然国王になった時、慌ててニーニャと婚約したんだ。もっと早く準備していればなと後悔したよ」 「…………それは……そうかもしれないどさ」 父さんは神妙な面持ちで、おれを諭すように話した。 次期国王の自覚を持って、これからについて色々考えなきゃいけないというのは分かる。確かにその言い分はもっともだけど……。 「だからまぁとにかく、深く考えずに話してみなさい」 さっきまでの表情と打って変わり「お前は人と打ち解けるのが早いからな」と微笑む父さん。そんな風に言われたら受け入れるしかない。 「はぁ、分かったよ」 「ナイトも。従者として挨拶くらいならできるだろうから、婚約者として相応しいか目を光らせてやってくれ」 「…………承知致しました」 ナイトの目利きとなるとかなり厳しいと思うけど、という言葉は飲み込みんで、書斎を後にした。

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