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12.ポップサーカス 【2】

「や、俺の中では京灯は可愛い以外の何者でもないんだけど、まあ確かにかっこいいって言われてるほうが多いかなって考えてて」 「なに!! 俺がかっけえだって!? 珍しいなっつうかいい奴だな!!」 「はあ? 珍しいなんてどの口が言ってんだ? 京灯はホント、男女問わずかなり人気あんだぜ? 知らねえの?」 可愛いなんてサラりとまた言われた気がするのは置いといて、驚きの新事実が明かされて思わずポテトを口へと運んでいた手もピタリと止まる。 男女問わず…ッ、いやどうせ人気があんなら俺としては女の子だけでいんだけど。 「んなの知るわけねえじゃん」 「それがあるんだなあ。後は─…名前分かんねえんだけど…背ぇ高くて短髪の人と、いつも一緒にいるクールそうな人と、会長はもちろんで、短髪だけどこっちの人はちゃぱってて走ってるとこをよく見掛ける」 「あ─…、はいはい」 あの辺な。 今度はハンバーガーにかじりつきながら佐伯の話を聞きつつ、自然と浮かび上がってくる顔、顔、顔。 なるほどな、あそこらは確かに目立ちどころばかりだから、まず放っておかれるはずがないと言うわけで。 そんな中に自分が入っていた事はかなり意外だったけれど、いやもしかして俺って実は結構イケメンの部類に入んじゃねえの。 わり、調子に乗った。 批土岐の人気の高さは、それはもう片思いの頃から嫌になるくれえ知ってたっつう話だけど。 女の子たちがキャーキャー騒ぐのも確かに分かるし、佐伯が挙げた人物総てそういう扱いを受けている現実には、俺も納得ってもんだ。 でもごめんな可愛い子達…ッ!! 短髪とクールは、すでにデキてるから!!! なんつって、そんな事をクールなお方を目の前にして言った日にゃ、俺に明日は無いぜたぶん。 「あ、今度さ~部活見に来いよ」 「部活? サッカーをか?」 「そっ。思う存分見惚れてくれていいぜ?」 「言ってくれんじゃねえかよお。まあ、見惚れることはねえけど」 「え、ソッコー否定?」 喉の奥でつっかえている言葉は躊躇われ結局のところ何も言えない俺には、刻々と過ぎ去る時間をどうにかする事なんて出来るはずもなくて。 楽しそうに笑う佐伯と過ごしている時は心地良い、けれどそのままで居ていいはずがない。 分かってる、分かってっけど…!! ああ、マジいつ言おう。

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