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24.ポップサーカス 【2】

「俺のほうこそすいません。気持ちとか分かってんのに、今の今まで言えないように して」 申し訳なさそうに笑ってから、今度は佐伯が頭を下げてくる。 その姿勢に、チクりとまた心が痛む気がした。 「おいおい! お前が謝ることなんて何もないんだって~!!」 批土岐と佐伯、どちらに対しても謝らなければならないのは圧倒的確実に俺のほうで。 肩をぐいと押して、早いとこ顔を上げさせようとついつい口調も慌てたものになる。 「だって、…絶対会長と喧嘩しただろ?」 「うっ…」 グサアァッッ そうでした、そうでしたそうでした。 愛しの批土岐ちゃんがご立腹なんだったコノヤロウッ!! 「お前~っ、いるの知っててやりやがったなあ…ッ!!」 「だってだって~!!」 「かわいこぶんなっつの!!」 やっぱり批土岐が見ていた事を知っていた上での行動だったらしい。 地を這う様な低音で怒りをアピールしてみれば、佐伯からは肩からガックーンと崩れ落ちそうになる程のぶりっ子っぷりを前面に押し出されてしまう。 殴り掛かる位に本気で怒っていたわけでもない俺としては、クスッと自然と笑みが零れてしまいつつも、それでもちゃっかりチョップをくれてやる。 「いってえ~!!」 「それで勘弁してやるっ!!」 「そのゴツいブレスとか今モロにデコにくらったんすけど!!」 「え、マジで? まあなんか、オマケってことで」 「どんな!!」 手首をジャラジャラと占領している腕輪モロモロも佐伯へと打撃を加えてしまったらしく、予想を越えて痛がる姿に多少は申し訳なく感じるものの、その内どちらからともなく笑い声が漏れてすこぶる和やかな雰囲気が作られていく。

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