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2.ポップサーカス 【3】

「…ココか?」 と、何だかんだ思いつつ歩いた先には図書室が。 ここだとしたら、俺的縁のないとこパート2だな。 批土岐は似合うけど、俺なんて珍しく来たとしても漫画しか読まねえから。 ガラ 絶対いる!とは言い切れないものの、もしかしたらと思い中に入ってみた俺。 もうココに来たのは何ヶ月、いやヘタすると1年位は入っていなかったかもしれない。 それ位、俺にとってはどうでもいい場所というわけでして。 「…結構人いるんだな」 一歩足を踏み入れてみて、予想していた以上にこの場所を利用している奴が多かったことに驚いた。 昼休みだからちょっとは時間が長いわけなんだけど、それでもここに来ようとは思わない俺からしてみれば不思議としか言いようがなかった。 視線を巡らせながらゆっくりとした足取りで歩いていくと、真面目に勉強している人もいれば漫画に熱中している奴、新聞読んでる奴…様々だ。 そういう人以外では、語り合いつつも何故か俺にチラリと視線が向いてくるような…そんな感じ。 そんなにココにいるの意外? 俺も意外。 まあそんなことはさておき、何の為に俺がココにやって来たのかということだ。 チラリと視線を巡らせながら批土岐の姿を探し歩く俺、この図書室は俺に言わせてみれば無駄に広い。 幾つもの本棚が立ち並び、どいつも皆真剣な眼差しで本を探しているように見えた。 (ココじゃなかったのかあ?) 入って行くとこを見たわけじゃないから、いまいち自信が持てない。 俺が言ったんだから間違いないぜ!みたいなさっきの言葉を早速撤回したいかもしれない。 (俺の批土岐センサー故障したのかな~) しっかりしろお前、なんて言われそうだ。 とりあえずは奥まで見てみることにした俺、まるでスーパーでママンとはぐれて一生懸命に探し歩く幼子みたいだ! もう俺ってばマルコそのもの~っ。 スケールが違ぇよなんてツッコミはやめてね! 「おっ」 いるかも分からなかったけど奥まで辿り着くことが出来た。 しかし大分歩いてきたらしいことに気付く。 入り口からココまで100メートルはあるんじゃねえ?! て、それは幾らなんでも大袈裟か。 まあ改めてココの広さを知った俺は、漸く奥までやって来て、求めていた人を見つけることが出来た。 入って来た時とか大違いで、こっちは静かな時が流れていた。 「よっ、批土岐。何してんの?」 「京灯…?」 一冊の本を手に取り、パラパラと中身を眺めていた批土岐。 やっぱこういう場所がよく似合うよなあと、少しの間だけその姿を見つめた。 「珍しいな。こんな所で会うなんて」 「批土岐が歩いてたのチラッと見かけてさ。ココかなあと思って来てみたわけよ」 俺が声をかけたら、批土岐は少しだけ驚いた表情を見せた。 でもそれはすぐに柔らかい笑みへと変わり、持っていた本を棚に戻した。 「そっか。俺を追って来てくれたってわけか」 「そっ。僕ちゃんアナタの犬ですからあ」 俺のほうに向いて話す批土岐に、ワン!なんて言っておどけてみせた。 そんな俺を見て、クスりと笑ってくれる批土岐。

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