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7.ポップサーカス 【3】
「…っんでだよ」
「京灯もココじゃやばいって言ってたし。ね?」
そんなの今更じゃねえか!!
こんなにさせといて言ってくれるぜ批土岐の奴!!
ふらつく足取りで壁際に移動して、背を預ける。
胸元ははだけ、そこが出たままの恥ずかしい状態のままで。
「京灯も授業出たほうがいいんじゃないかな?」
イッパイイッパイな俺に対して、批土岐はもう何事もなかったかのように教室に戻ろうとしている。
そして当然のように、着衣には一切乱れがない。
「俺、行くから」
なんだよ、お前っ…こんな状態の俺を一人残して教室に戻る気かよ。
なんかすげえ情けないじゃん、これじゃあ。
「…っかやろぉ。責任取れよバカ批土岐~っ…」
この場から立ち去ろうと背を向けた批土岐、たまらず俺は口を開いていた。
置いてきぼりなんて寂しいんですけど、泣いちゃうよ?俺。
「京灯…?」
振り返って見つめてくる批土岐の視線に、触れられたわけでもないのに中心部がまた熱を持ち始める。
「…来いよっ…批土岐。俺なんかより…ん、授業のほうが大事なわけ…?」
その目にすら感じてしまってる俺は、実は手に負えない位に変態な奴なのかもしれない。
とにかくもう、批土岐をここから離れさせたくなくて。
自分でも驚く位にすんなりと、大胆な行動に出ている俺がいた。
「あっ…、ぁ、しゅう…俺を、こんなとこにっ…ぁ、置いてくのかよ…っ?」
冷静な自分が見たら、とりあえず蓋をして鍵かけて一生日の目を浴びない記憶にするだろう。
とっくに身を隠してしまった理性は、俺にとんでもない行動に移させる。
すでに熱くなっていた自分自身に手を伸ばして先端に刺激を与える。
もう片方の手では、自分の胸元に指を這わせて突起を弄ぶ。
やばい、俺変態だ。
「京灯っ…」
批土岐に見られてるのを感じながら、俺は快感に身を震わせる。
受けでもいいから、もうこれをどうにかしてくれよ。
「しゅっ…、ぁ、あぁっ…」
知り尽くした自分自身を追い上げていきながら、一世一代の大勝負に出た俺。
「…参ったな」
「っ…?」
まさか人前で、しかも批土岐の前で自慰行為を御披露目することになるとは、人生何が起こるか分からないね。
ぼんやりとした瞳で批土岐のことを見続けている俺、ひかれたらどうしようって思う気持ちも確かにある。
だけど、今の俺にはそれを上回るどうしようもない興奮状態。
間を置いて、困ったように笑う批土岐が視界に入った。
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