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9.ポップサーカス 【3】

「この俺をサボらせたんだ。たっぷり楽しませてくれるんだよな?」 「はっ…、んっ…当然。俺を誰だと思ってんだよ…」 笑いかけてくる批土岐に、強気な微笑みを返す。 ただ受けるだけなんてそんな弱いことはごめんだ。 せめてちょっとは、批土岐を振り回す位の余裕がないと。 「愁、…俺が欲しいだろ?」 少し上目遣いに、自分から制服を脱ぎ肩を晒して中途半端な姿になる。 不敵に笑いながら、批土岐の首に腕をまわす。 もう少しで唇が触れ合いそうな程の至近距離で、お互いに見つめ合って。 「やってみろよ、生徒会長様?」 「随分、今日は好戦的なんだ?」 「まあねっ…ん、ふ」 例え受け身だとしても、主導権位握れるはずだ! 自分から唇に触れ、自分から舌を絡ませる。 「ん…、京灯?」 それからすぐに唇を離して、俺は床に両膝を立たせた。 そんな俺に、疑問の声を投げかける批土岐。 だけどその言葉に、顔を上げてチラリと舌だけ見せて答える俺。 「京灯…何を、ん」 何も言わずにベルトを外し、引き出したものはすでに熱くなっていて。 それを一呼吸置いて、口に含んだ。 たまらず漏れた甘い声を聞き漏らすことなく、丁寧に舌を這わせていく。 先端にキスするように軽く唇を触れてみたり、裏筋を舐めてみたり。 「ぅっ…く、京灯…」 サラリと髪に触れてきた批土岐の手の温かさ、少し掠れた声に、解き放ったはずなのにまた熱が集まり始めるのが分かる。 こんな経験ねえから正直大丈夫か不安だったけど、同じ男として感じる部分は一緒。 感じてくれてる姿に嬉しく思いながら、徐々に批土岐自身を追い上げていく。 「くっ…、いいよ…京灯」 「んっ、ふ…」 奥まで含んでたまにむせそうになりながらも、なんとか口の中に押し込んだ。 時折上を向けば、目を閉じて熱い息を吐く批土岐の顔が目に飛び込んできて。 その顔がたまんなくやらしくて、まるで俺が批土岐の中に挿れて攻め立ててるみたいな錯覚に陥りそうになる。 伏せられた長い睫が陰影を作り、ほのかに染まった頬を彩る。

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