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2.ポップサーカス 【4】

「あーっと…、理科室…だよなココ」 「うん、そうだね」 とりあえず、どうリアクションしたらいいのか戸惑う俺を余所に、批土岐と言えば相変わらず柔らかい笑みを浮かべながら室内へと入っていく。 次の時間はどうやらこの場所は使われないらしく、人気が全くないココは今だけは静けさが漂っていた。 射し込む陽光、視線を巡らせればビーカーやら試験管やらとありとあらゆる実験器具。 4、5人ずつのグループに分かれて席に着く、ちょっと広めの長机。 「約束、もちろん覚えてるよね」 「……はは」 キョロキョロとあっちこっちを改めて眺めてみて、こんなのもあったんだなあとか思っていた時。 一定距離まで進んだ批土岐が、立ち止まってくるりとこっちに振り向いた。 そして放たれた言葉に、物凄い長い間と曖昧な笑いで答えるしかない俺。 愛しの批土岐を目の前にしてるっていうのに、こんなにもぎこちないこの俺様。会長が爽やか過ぎて!眩し過ぎて!美し過ぎて! なんてのはごもっともなんすけど、それらを思いっきり飛び越えて今この瞬間に俺の背筋をザワザワ這い回っていくものと言ったら。 とてつもなく嫌な予感。 「あー…今日はちょっと、なんつうか…ほら!アレ!人助けでッ…!」 「うん?」 「遅刻、しちゃった…て、いうか………」 机に「よっ」と腰掛けて、依然柔和な表情を浮かべ続ける批土岐に下手な嘘なんか通じるわけもなく。 次第にお互いの距離が縮まっていき、いつの間にかすぐ側には批土岐の姿。 足をブラつかせながら、チラチラと窺うように批土岐の顔を見る俺。 「約束は、約束。京灯…」 すっと頬に触れてきた手の感触、それと共に耳に入ってきた艶っぽく俺の名前を呼ぶ声。 やべえ、やべえぞ。 流されるな俺!この場所が何処なのかっつうのを、もっぺんよく考えてみろ?! 「批土岐っ!無理!ここはっ…!」 「舌、出して」 「は?」 暴走しかかっているように思える批土岐に焦っていた俺、なんとかこの先には進ませないようにってかなり必死だったんだけど。 突然の言葉に、何言い出すんだ?とかなりなにがなんだかな状態。

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