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4.ポップサーカス 【4】

あ り え ね え 「なっ、なッ…なっっ!!!!」 批土岐が一体何を企んでいるのかは分からなかったけれど、とりあえず俺にとって良いことでは確実にないだろうなっていうことだけは予想出来た。 楽しそうに、依然柔らかい笑みを浮かべながらゴソゴソとポケットの中を漁って取り出されたモノ。 「なんっすかソレ!!!」 しっかりと批土岐の手に握られたある物体に、一気に全身の血の気が引いていったような気がした俺。 それはもう「な」を3回も連呼する位に!言葉に出来ない位に!! 衝撃。 「なんだと思う?」 「つうかお前そんなもんどっから手に入れてきやがったァ!!!」 余りの動揺に、ズザザーッ!と後ろに下がって反射的に批土岐の側から離れてしまう俺。 手にしているモノを指差しながら、頭の中は混乱するばかりで。 俺の荒れた問い掛けに、批土岐はただニッコリと微笑みながらこっちを見つめている。 「さあ、どうだろうね」 「まっ待て待て待て!!そんな危ないもん持って近付いてくんなッ!!!」 まさか、まさかだよな。 誰がそんなこと想像出来ようか。 あの批土岐だぜ?麗しき生徒会長様だぜ? そんな爽やかで凛としてて頭も良くて器用で綺麗で、非の打ち所のない人間がッ!! なんっで、・・・・・・・・・・・・ローターとか持ってんの・・・・・・・・・・ ・・・・・ 神よ、マジこれはどういうご意志? 俺に対する挑戦なわけ?コレは。 「ほら、京灯。じっとして」 「て、出来るかァ!!!!!そんな大人道具、俺らにはまだ早いからッ!つうか批土岐が俺に挿れられろ!」 脳内が真っ白になっていく中、また颯爽と机に上がってきた生徒会長様。 俺はただその様子の一部始終を見ていることしか出来ず、ギャーギャー叫びつつも逃げられない子羊な俺様。

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