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8.ポップサーカス 【4】
「そろそろ、コレ」
「なッ、いっ…いやだっ、そんなもんッ…」
しかもその上、今になって登場してきた例のアレ。
どこの鬼畜変態だコイツはっ!!!
「大丈夫、慣らしてから挿れるから」
「そっ…ゆう問題じゃッ…ん!」
後一歩二歩位でイケるとこまできていたっていうのに。
この俺になんて仕打ちだ批土岐の奴!
色々言いたいことは山程あったけど、聞く耳持ってもらえず秘部へと差し込まれてゆく異物感。
「あッ…、くっ」
慎重に押し広げられながら内部へと突き進んでゆく批土岐の指。
どこがどういいかなんて完璧に分かりきっているだろう批土岐、俺には為す術がない。
「挿れるよ」
「ッ…!!?」
奥まで進行はされたものの、確実な箇所を突かれたわけでもなく。
どこかやっぱり遠回しな刺激に、どうしようもなく疼くのに批土岐はそれ以上のことをしてこない。
そんなイクにイケないもどかしさを感じていた中、とうとう批土岐の唇から放たれた言葉に瞬間体を強ばらせる。
や、つうかマジで?
マジでやっちゃうんですか?
「力、抜いて」
「んなのッ、無理…ッ」
力抜いてなんて言われて抜けてるんなら、最初から俺の体は固まっていないっつうわけで。
マジなんかもうそれだけは勘弁してくれッ…!!
なんて、やっぱり聞き入れちゃ……
もらえないっすよね。
「京灯」
「マジッ、もう今度こそは遅刻しねえしッ…!」
だけどやっぱり足掻きたいお年頃。
もうホントよく分かったから!
肝に命じておくんで!!
「うん、京灯の言いたいことはよく分かった」
「批土岐ッ…、あっ!」
必死な俺の説得、その甲斐あってか批土岐にはどうにか通じたらしい。
もしかしてちょっとは考えてもらえる?なんて、批土岐の言葉に少し期待感が高まる。
「あっ、ん…!」
「遅刻しないのは当然。そして、ここまできて…今更だよ」
だけど、上手くいかない世の中でありまして。
俺の気持ちは一方通行なまま、突然また自身への愛撫が再開されて言葉にならない声が唇から滑り落ちる。
んだよチクショウ!!言うだけ無駄ってやつかよ!!!
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