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10.ポップサーカス 【4】
「え~、であるからして」
いつ聞いてもつまんねえ教師の説明を聞き流しながら、俺は授業に出ていた。
もちろん出たくて出てるわけじゃねえし。
ホントなら、こんなのサボって今頃どっかで有意義に時間を使っていたはずなのに。
「………ッ」
あー…落ち着かねえ、マジなんで俺がこんなめに。
いちおう教科書だけは机の上に置いて、ぼんやり頬杖をついていた。
ホントならこんな事している場合じゃない。
「…」
俺ん中に、アレが……入ったまんまだから。
真面目に有り得ねえ。
教室に向かうだけでもどうにかなりそうだった。
歩く度に、内部で存在しているアレがどこかに当たって擦られる。
その度に変な声が出そうになって、立ってるだけでもやっとで、半ば批土岐に支えられるようにして教室に入った。
つうかそんな気遣いがある位だったら、最初っからこんなもん入れんじゃねえよっつう話で。
さっきのだけで……十分じゃねえか。
あー……マジあれは、恥ずかしかった……。
これからこんなもんが入った状態で、俺はどうすりゃいいんだよと、動かずじっと明後日のほうを見ていた俺。
これってホント、変態じゃん俺。
「……?」
そう思いながら、壁に掛けてある時計を見て時間を確認していた時、なにかが変わり始めてきた。
「…ッ!」
ちょっと待てよッ…なんか、これっ…!
中で少しずつ振動を増していく、それを感じとってしまった。
「…ッ!!」
やめろっつーのバカ批土岐!!
入ってるだけでも十分過ぎる位の違和感なのに、それだけじゃ終わらせないとでも言うのかよ!
頬杖をついていた手を口元に当てて、微妙な動きを続けるモノに意識が吹っ飛びそうなのをすんでのところで抑える。
チラッと批土岐のことを見てみれば、アイツは俺に目も合わすことなくノートにサラサラと書き写していた。
「…ッ」
なんだよクソッ!!
入ってるだけでも十分お仕置きじゃねえかよ!
その上、それだけじゃ飽きたらずこんな所でジワジワ動かしやがって…!
「…ッ!!!」
一気に顔が火照る。しんと静まり、教師の声だけが響くこの教室で俺はッ…!
「ッ!!!」
やばい、無理、もうこんなの一秒たりとも耐えられるわけない。
「…んッ」
唇から漏れる熱い息にどうしようもなく恥ずかしさが込み上げてくる。
このままじゃッ…、絶対やべえ。
あッ…動い、てんじゃッ…ねえっ!
もうッ………あっ!
ふざけんなッッ!!!!!!!!!!!!
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