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1.ポップサーカス 【5】

「あ゛──っ!!タイミングわりぃちくしょー!!!!!」 そうさ叫びたくもなるぜ!! 麗しの会長様である批土岐の家に、学校帰りにやって来た俺。 そうそこまではかなりイイ調子、生徒会やら何やらの用事を早めに済ませた批土岐と下校しながら、他愛もないことをあーだこーだと喋り合った。 さりげなく口ピが2つになってるけど、一体ソレ……いつ開けたの?なあんつって唐突に聞かれ、かなり無理のある笑顔で乗り切ろうとしてみたり!!そんなァ!!今更だよ批土岐ちゃ~ん!!それにホラ!!いいじゃん!硬派な唇って感じで!! とまあ色々と、楽しく批土岐んちに向けて歩いていた時。 まあな、少なからずは気付いてたっつの。 あの雲行きの怪しさ位なっ………!!!!! 「うわビッショビショ~……マジ最悪なんだあれッ!」 ポツりポツりと最初だけは遠慮がちに、油断している隙にドドーッ!!と突然滝のような豪雨。 こんな雨に洗い流されなくてもなぁ!俺の心は元から澄んでて綺麗なんだよバカやろうっ!! なんていう思いは届くわけもなく、傘があっても恐らく無意味だろうななんて思う位の降りっぷりではあったけど、最初っからそんな都合の良いもん持っていなかった俺らとしては……… 案の定、総攻撃に遭って今に至る。 どれだけ激しく降ったって、持っているほうが断絶有利に決まっている。 ビショ濡れだぜ?! 有り得ねえっすよ! 「京灯。はい、タオル」 「あ、サンキュ」 批土岐と一緒に大雨の中を走ったものの、玄関へと駆け込んだ時にはもうお互いに救いようがないって位にビッショビショな状態で。 まさかこんな全身から水を滴らせながら上がり込むわけにはいかねえ!!なんて思って、何処かへと去って行った批土岐が戻って来るのを待っていた。 「シャワー使うといいよ。その間に、制服は乾燥機の中に入れておくから」 「え、マジ?!」 受け取ったタオルで腕とか顔とか濡れている部分を拭いていた時、目の前にいた批土岐から言われた言葉に俺は目を輝かせる。 うわ!つうか批土岐のほうが万倍眩しいんすけど!! 水も滴るいい男っていうのは、こういうことを言うんだなあと内心一人で勝手に感心。 「マジありがてえ!正直濡れた制服がまとわりついて気持ち悪かったとこなんだよ!」 「うん。そうと決まれば、上がって?京灯」 「ども!お邪魔しまっす!」 なんかさ風呂に入ってさ、その間は制服乾燥なんてそんなせっせとしたこと…… 批土岐ちゃんたらお嫁みてえーっっ いいなあそれ、なんかちょー良くねえ? やっぱ俺は攻めでなければっ……!! 改めて密かに決意とかしちゃってる俺がいた。

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