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4.ポップサーカス 【5】
「ははっ!京灯っ…大袈裟ッ…それ、可笑しいッ…くくっ」
「え!批土岐ッ…?!」
そしたらどうよ批土岐ちゃん。
俺のリアクションを見て、批土岐の表情がなんか緩んできたと思ったら……
突然声を上げて笑い出した。
あの批土岐が、あの批土岐がだぜ?
本当に可笑しそうに笑いが止まらないといった様子で、楽しそうな笑顔を見せる。
少し頬を染めながら、笑いを堪えようとしてはいるけど相当可笑しいらしい。
いや、うん笑ってる顔見れたのはすげえ嬉しいんだけど、えっなにそんなに俺なんか頭オカシイこと言ったか………っ?
「ふふっ、敵わないよ。京灯には」
「んだよそれえ、頭悪いっつうことですか」
目の前で愉快気に笑う批土岐にちょっと複雑な気分になりながらも、やっぱり楽しそうにしてくれてんのが嬉しくて。
はにかみ笑顔も俺にとってはかなり綺麗なんだけど、声上げて笑ってんのも……やっぱりすっげえ良くて。
あんまりこんな風に笑う批土岐なんてお目にかかれねえからさ。
「京灯」
「?んっ……」
俺なんかが批土岐のことを笑わせられたことが正直結構嬉しくて。
ごく自然に近付いてきた批土岐の唇に、瞳を閉じて応える。
「んッ…ふ、ん」
触れ合った唇、うっすら開いた口内へと批土岐の舌が滑り込んでくる。
お互いの舌が絡み合う度、どちらとも分からない唾液がピチャりと音を上げて煽っていく。
「体、洗ってあげる」
「はッ…あぁ?!いやっいいし!」
息もつかせぬ勢いで散々口内を我が物顔で蹂躙された後、俺なんて必死に酸素吸い込んでるっていうのに批土岐は至って涼しい顔。
そして今までずっと出ていたシャワーをここで止めると、ボディーソープを手のひらに受け止めながら批土岐がサラりと言ってきた。
「ほら、座って」
「いやだから俺はいっ…おわっ!」
そんな洗ってもらう程俺って貴族でも王室でも坊ちゃんでもないし!!
ましてや相手は批土岐だぜ?!
やっマジでそんないいっすから!!
両手を擦り合わせながら、液体を泡立たせていく批土岐から後退る俺。
ドボドボッ、とお湯が浴槽に張られていく音を耳にしながら焦る俺。
人に洗ってもらうなんてハズいマネ出来るかよ!!と思いながら、首をフルフル震わせ思いっきり遠慮していたところでの急展開。
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