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5.ポップサーカス 【5】
「ひっ批土岐!だからっ一人で洗えっから!」
「そんなに慌てることないだろ?いいから、じっとして」
「出来るかよ!」
ぐいっと引っ張られた腕は見事に体ごと巻き込んで批土岐の元へと倒れ込む。
そして気付けば時すでに遅し!!
床に尻餅をつき、後ろから抱き締められて批土岐の胸板に背中がピッタリと密着してしまった。
なんだ、なんだこの展開はッ……!!?
雨に濡れた体をサッパリさせようと、シャワー浴びる為に入ったはずが………
批土岐に体を洗われかけている。
しかも素手でかよオイ!!!
「まだお湯溜まるのに時間かかるからね」
「だっだからって…!」
「京灯はただ、じっとしてるだけでいいから」
泡が俺の肩に触れ、スルりと伝い落ちていく。
耳元で囁かれ、どうせ何言ったってやめないだろうなんてことは分かりきっていたことなんだけど、いちおう抵抗はしてみた。
湯気が立ち込めて、すでに体はほのかに朱を帯びていてどんどん火照っていくばかり。
「ッ…」
なんか…こういうの、すっげやらしくねえ?
なんて思いながらも、結局のところは批土岐の押しに今日も負ける俺。
ゆっくりと脇腹に触れた批土岐の手が、泡を付かせながら少しずつ上へと歩みを進める。
なぞるようにそっと触れる手に、どこかくすぐったさを覚えながらも何も言わずにその行方を見守るしかない俺。
「ちょっ…ひ、ときっ…!」
その指先が今度はドコへ行くのかと思えば、脇の下を潜り抜けて、胸元へと迷うことなく進んでいく。
やばい、ぜってえこれはやばい!!と俺の中で警報が発せられ、この先にいけないよう手首を掴む。
「あッ…ん!」
軽く掴んだだけだったけれど、素直にも動きをピタりと止めた批土岐にホッと内心息を吐く。
でもやっぱり、それは余りにも甘かった。
「はっ、あッ…ず、りいっ…ん!ひ、ときのッ…あっ!」
今までなりを潜めていたもう片方の手が、素早く俺の胸へと指を這わせてきやがったのだ。
ヌルヌルと滑る指先、突起上を行ったり来たりされて、俺の唇からはたまらず矯声が上がる。
「京灯?どうしたの?俺はただ洗ってるだけなんだけど」
「んっ、あっ…う、そつ、けッ…や、あっ!」
指の腹で執拗にグリグリと突起を弄られ、ヌルりとしたそのなんとも言えない感覚もあってか、余計に敏感に反応してしまう。
おまけに浴室というだけあって、頼んでもいないのに声が反響して恥ずかしいったらない。
羞恥心を煽られながらも、抑えなんかきくわけがないし、熱くなってきた吐息に気持ちが次第に高ぶっていく。
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