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9.ポップサーカス 【5】

「ひ、ときッ…!」 「?!」 掠めるようにしか触れてこない批土岐に、とうとう痺れを切らした俺。 ドンッ、と勢いよく批土岐の胸を押せば、突然のことに対応しきれなかった体が後ろに倒れる。 「…っ、京灯、なにを」 「お、まえのせいだぞッ…!」 下腹部辺りに跨り、物凄く恥ずかしいことをこれからしようとしている俺。 今なら顔から火を吹ける自信がある。 「……?」 不思議そうに見上げる批土岐の視線に、ふいっと顔を俯かせる。 「俺がッ……イキてぇの……っかってるくせにっ…」 わざとらしく焦らしてきやがって、しかも長ぇし。 もうとっくに……限界越えてんだよ! なにするか分かんねえぞッ……!!! 「あっ、やっ…て、くんねっ…なら、ん!お、れがッ……あっ、や、からッ…い、いっ…は、あ!」 やべえ、なんか俺また変態? でも、もう耐えらんねえから。 焦らされんのは沢山。 イカせてくんねえなら、俺が勝手にイクからいいっ!! 「京灯…」 「んッ…だよっ、あっ…見、んなっ…あっ」 見上げる批土岐の視線、今か今かと解放を待ちわびている自分自身に指を添えながら、気持ち良いんだけどどうしようもなく恥ずかしい気持ちももちろんある。 その瞳にすらもどうしようもなく気が高ぶって、涙で視界が霞む。 「あっ、あ、んッ…見、んじゃねっ…あっ」 そんな目で俺を見んな。 どうせ恥ずかしい奴だよ俺は。 つうか大体なあ!お前が焦らし過ぎなんだよ! くっそ腹立つ!

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