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11.ポップサーカス 【5】

「但し、手は使わないでね」 「……………は?」 お許しがないとイカせてももらえねえのかって感じだけど、その直後に出た言葉に正直俺は固まった。 「動けるだろ?」 「なッ…………!」 う、そだろ…… 批土岐の言わんとしていることが、分かりたくないのに分かってしまった俺。 「あれだけ出来たんだから、大丈夫だよ」 「ひ、ときっ…それはちょっとあまりにもっ………」 腰使って批土岐の腹に擦り付けてイケって言うんだろお前。 このどこに出しても恥ずかしい変態会長め!!! 「京灯?」 「ッ…」 こんな展開になって、改めてさっきまでの自分の醜態が頭をよぎることになって顔がカッと熱くなる。 なんだかんだでイケていなかったけど、少しは冷静さを取り戻した思考。 「んッ…」 流石にそんな出来ないだろ!なんて思いつつ硬直していたところに、批土岐の唇が触れてきた。 微かに動く体、それによって俺自身へとまたジワりと熱が広がってくる。 「んッ…はっ」 舌先を絡め合いながら、頭では分かっていたはずなのに、また俺の思考が見事に堕ちてくる。 キスしただけで頭がボーっとしてきて、目の前の批土岐になんかもうどうしようもなくクラクラしてくる。 「…ッく見てろ!」 批土岐の額に触れ、噛み付くように言わなきゃやってらんねえ。 クソッ!見てろッ…見てろよ!いつかこれまでの分しっかり払ってもらうからなっ!! 「あッ…ん、んっ」 徐々に腰を揺らしていきながら、その度にジワりと広がる甘ったるい感覚に、理性なんてすぐにはぎ取られていく。 「あっ、ふ…んッ!」 卑猥だ・・・ 今の状態のこの有り得なさ、見上げる視線、異質なシチュエーションに俺の気持ちが高ぶりを増す。 とっくに溢れたお湯がタイルを濡らし、喘ぐ声がとめどなく響き渡る。

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