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15.ポップサーカス 【5】

「そう。それは困ったな」 「あっ、はあっ…ぁ、ん」 だけど、もうそんな指だけじゃッ…俺満たされねえよッ…! そんなんじゃッ…む、りなんだよっ…わかんねえとか、もっ…ナシだぜっ?! そろそろ更なる快感を求め出してきた頃、俺の声にあからさまに困ったと口してきた批土岐。 な、なんだよ…… 「攻めたいと思ってる京灯に、これ以上は流石に出来ないよね」 「?!」 なッ…なんだと──っ!?? 「んッ、ふ、ざけんなっ…あっ」 今それを持ち出すかお前ッ…!! 批土岐の言葉に、また新たな大問題浮上!そりゃ攻めたいッ…に決まってっけど、でもっ…! 「京灯?」 「な、んでお前ってそっ…」 居座っていた指がいつの間にか消え、ズクズクと疼きを感じながらも批土岐と向かい合わせになる。 「ん?」 「ッ…!」 チラッと上目気味に批土岐の顔を見てみれば、相変わらずの柔らかい笑顔で俺に視線を向けていて。 「んッ…だよ、それ~っ、ひ、ときぃっ…」 「ん?」 欲求はただ一つ、バッチリ答えが出ているのに、俺にはなかなか踏み切れない。 世のネコちゃんどもは、ここでなんの躊躇いもなくおねだりでもするもんなのか?! 相手は女だったにしても、今までずっと…!俺が引っ張ってく側だったっつうのに?! 「あ、お湯冷めちゃうね」 「ちょッ…!」 「どうかした?」 「な、んでもねえ……」 色んな気持ちが邪魔をして、ホントはッ…もう限界なんてとっくに越えててやばいなんて話じゃないッ…! 「丁度いい湯加減だよ。京灯も入ったら?」 「……い、やだッ…」

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