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2.ポップサーカス 【7】

「お。来た来た」 小鳥たちがチュンチュンと、それはもう爽やかに朝の訪れを知らせてくれている。 いつもならそんなの無視して眠り続けているところだけど、いや最近じゃ起きとかないと無条件で俺の貞操の危機に発展するんだけど。 だけど、今朝の俺は違うんだなこれが。 「もうちょいもうちょい」 俺にしては有り得ない位の早起きをして、なんと批土岐が家から出て来るかなり前からすぐ近くの電柱の陰に居座っていた。 頼むから110番とかしないで。 たまにはさ、こういうのもいんじゃねえ? まぐれにしろなんにしろ、珍しく自分から気持ち良く起きれた朝だったから。 こりゃ批土岐をお迎えに上がろうビックリ大作戦をするしかねえ!!と、そう思うのが自然の流れじゃん。 門を閉じて、早朝の涼やかな風に綺麗な黒髪を靡かせながらのご登校。 あァ今日も凛としてるっすかいちょ──ッ!!! 批土岐信者が沢山いるっていう事実を、アイツは果たしてご存知なんだろうか。 「よおっ──批土岐!!」 「ッ……」 まあそんなプチ情報は置いといて、まさか俺が潜んでいるだなんて思ってもいない批土岐はすぐに射程距離へと歩みを進めてくる。 ワクワクしつつタイミングを見計らって…… 「…京灯?」 批土岐の目の前へと、飛び出していた。 「すげくね!?俺!」 突然現れた俺に対して、案の定驚きに包まれる批土岐の表情に内心してやったりとほくそ笑む。 「………」 「批土岐?お─い、生きてっか~?」 批土岐家からまだ100メートルにも満たない距離でお互い向き合ったまま立ち止まり、混乱でもしているのか俺を見つめたまま黙り込んでしまう。 なになに~そんなに朝一番に俺に会えたことが嬉しかったわけかなあ? 「おいおいしっかりしろってひと、んっ…!?」 なんてニヤつきながら真ん前まで近付いて、眼前で手をプラプラさせたりしながら批土岐の反応を窺いつつ少し遊んでいた。

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