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4.ポップサーカス 【7】

「ねみい~…今更眠気が襲ってきた」 「サボっちゃ駄目だよ」 「む。しねえっつうの」 正門を通り、昇降口へ着いた頃には当然だけどすでにあちこちには生徒が居て。 俺と同じく眠そうな目を擦りながら上靴に履き替えている奴や、なんでそんな元気なのかとツッコミたくなる位にテンション高い奴らも視界に入って、本当様々だ。 「ん~…つうか」 「ん?」 大あくびの後、上靴の踵を潰して歩き出した俺の言葉に批土岐は視線を向けてくる。 いつもと変わらないはずの校内、なんだけどどう考えてもなにかが違う。 「なんか、すっげえ騒がしくねえ?」 「…確かに」 騒がしいのは常にだけど、今朝はちょっと度を越えている。 一体なんでそんなに盛り上がってるのか、俺と批土岐は首を傾げるばかりだった。 「あ!会長!!」 「お?」 とりあえずは、何事かを確かめようと自然とお互いの足が騒ぎの中心へと向かい歩き出していた中、黒山の人だかりとなっていた場所が目にとまって。 なんだなんだ?と思いながら近付いていけば、何処からともなく掛けられた声。 「廣瀬」 声のしたほうに視線を向ければ、見覚えのある姿がこっちへと駆け寄ってきていて。 よく批土岐と一緒に居るのを見かけることが多いから大して喋ったこともないのにすっかり覚えちゃっていたんだけど。 「どうしたんだ?」 「た、大変です…ッ!」 やって来た副会長の廣瀬の焦った様子になにかを感じ取ったらしい批土岐。 誰もが同じ先に釘付けとなっている掲示板へと視線を向けて、その直後にそこへと向かい始める。 「批土岐?」 心配そうに批土岐の後ろ姿を見つめる廣瀬、掲示板に一体なにがあるのか俺も気になってその後を追って歩き出す。 関知してないところでいつの間にか騒ぎの渦中に身を置かれていたらしい批土岐、本人の登場に気付いた生徒たちがザッと道を空けて固唾を呑んで見守る中で。 「…ッ!?」 漸く辿り着いた掲示板の前、見上げた先にはA4サイズの紙が一枚貼られていた。 そこに綴られた言葉、表情を変えずに文字の羅列を目で追っていく批土岐。 「なに書いてあんだ?」 身動き一つしない批土岐の背後に近付いて、ヒョコッと肩口から顔を出して目の前の掲示物を読んでみる。 淡々とした文章、目にした瞬間に俺から笑顔が薄れていく。

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