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13.ポップサーカス 【7】
結局のところ、俺が一人思い悩んだところでお話にもならなくて。
あんな事言われて一気にテンションが下がってしまった俺は、批土岐に会うのも気まずくなってしまって早退なんかしちゃったりして。
これじゃなんか、早速廣瀬の言葉通りに動いちゃってるみたいで腹立つな。
「はあ~……頼りねえ俺」
どうすんだよ、こんなとこで暢気にサボってる場合じゃねえのに。
溜息吐きつつも、丁度使われてなかったのをいいことにコッソリお邪魔していた理科室で俺はガックリとまたうなだれる。
心底使えねえ男だよ、ああそうだぜマジ自己嫌悪。
「あの頃…か」
俺がまだキンパで、荒れに荒れ狂ってたあの頃。
今じゃもうこんなにも落ち着いて、誰にでも笑いかけれる位に成長して社交的にもなれた俺だけど。
こうなっても、やっぱ俺は……あの頃とおんなじ認識をされちゃうわけ?
なんだよ、なんも変わってねえのかよ。誰の心も動かせてねえし、ホントのところ受け入れてももらえてねえのか?
表面上だけ?やっぱそんだけ?
いつまでもいつまでも、俺はあん時の成山京灯のままで。
「こんな俺が、アイツになんかしてやりてえなんて……やっぱ、迷惑か…?」
寂しい自問自答。
時間は刻一刻と過ぎ去っていく。
こうしている間にも、取り巻きな奴らが行動起こしてるかもしんねえのに。
なにも出来ない、してやりたいのに踏みとどまってしまっている俺はすげえかっこ悪くて情けなくて消えたくなってくる。
ガラアッ
「…ッ!!?」
孤独に浸っていたことで、どんどん深みに嵌っていく俺の気分。
やべえ、悲しくなってきた…なんて思いながらじっと膝抱えて座っていたら勢い良く戸が開いて、驚きに肩がビクりと跳ねた。
「…成山?なにしてんだお前、こんなとこで」
「…ッ峰くん…」
誰がやって来たのかと、物陰からコソッと出入り口のほうを窺ってみればタイミング良く視線が合ってしまって。
知ってる奴だったから良かったものの、でも気分的には知らねえ奴のほうが良かったかな、とも考えてしまう。
「峰くんこそっ!なに?また追われてんの?」
「るせっ」
戸を閉めて歩み寄ってくる峰くん、さっきまでの鬱になりかけな自分は追いやっていつも通りに笑いかける。
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